適性な時期に適正な刺激
元住友生命保険相互会社常務取締役 金平敬之助さんが私の最初にいた会社で講義をしてくれた時の印象に残った言葉です
脳生理学では、臨界期と言う言葉をよく使う。正しい時期に刺激を受けなければ、正常な機能が発達しない。その時期を指して臨界期と言う。
たとえば、猫。
生まれてすぐ目隠しをする。
そのまま45日間、光の刺激を与えない。
視覚系の神経細胞は未発達のままになる。
ついには、永久にものが見えなくなる。
この45日間が、猫の目の臨界期というわけである。
仕事でも、臨界期はあるのではないか。たとえば、新しい保険商品が売り出される。一か月たっても、一件も販売に成功しないと、その保険が苦手になってしまう。
保険の世界では、新商品の販売能力は、発売後一ヵ月が臨界期だと言っている。
適性な時期に 適正な刺激 を見余ると「発達」がなされない
これは「新入社員入社研修」で必ず伝えてます 「俺はちゃんとクリアしてきた」ではなく 「避けたことにより臨界期を越えてしまったことがたくさんある」という意味です
学校に比べあいまいな企業教育プログラム
人間の脳は10歳までに大まかな構造は出来上がるらしいです
幼稚園・保育園では 歌を歌わせ 絵を描かせ 友達と共に行動させます
小学校ではもっと 適正な時期に適正な刺激の教育カリキュラム が創られて運営されています
対して 人の成長が利益に直結する企業教育 は臨界期に対する認識が甘いと言えます
何人も優秀な部下を育成している上長の中には 臨界期を心得ている人もいますが、経験からくる「勘」の領域でカリキュラムはありません
人は意識的・無意識的に苦手なこと・好まないものを避ける傾向があります
教育・育成のカリキュラムはそれを計って必要なものだと思います
転勤により異動してきた時に「汚い部屋だな きれいにしよう!」と思っていても45日放置すると慣れてしまいます 「思い立ったらすぐやれ!」はこんなところから生まれたのかもしれません
忠言は耳に逆らう
私達は 子供や入社したての新入社員を見て「今身につけさせないと一生身につかないな」と思う場面があります
それを 教育 しつけ 自覚させる をせず放置したばっかりに臨界期を越えてしまいます
挨拶ができないままミドルへ
ホウレンソウが身につかぬまま責任ある立場へ
謝ることをしないまま管理職へ
「あの人は人間として・・・」→「いや、もう遅い 臨界期越えてる」
と言われたりします
わが気に入らぬものが わがためになるものなり
鍋島直茂の言葉です
「忠言は耳に逆らう」と同じ意味です
人間は年齢を重ねたり キャリアを積んだり 実績が増えたりしていくと だんだん気に入らない言葉には耳を貸さなくなります
批判はもとより、アドバイス、忠告に至るまで反抗、攻撃と受け取るようになってきます
そう考えると うるさい親 も うるさい先輩 もありがたい存在なのかもしれません
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました