マネジメント研修を担当した時 得たこと
新卒で入社した会社での5年目 教育企画部教育企画課に配属されました
新入社員教育のプランニング・研修担当が主な仕事でしたが、支店長・課長以上を中心に年4回のマネジメント研修も補助で担当となりました
5年目になる新社長の「指揮官とはこうあるべき」という研修です
教材は「坂の上の雲」=日露戦争 「失敗の本質」=太平洋戦争 の指揮官の分析→とるべき行動を社長が解説するものでした
当時は言われるがままにこなしていた仕事ですが、振り返ってみると非常にそれからの管理職人生に役立たと思います
日露戦争・・・弱者である自覚が強く 弱者の特権である考え尽くすという行動が勝利に結びついた
太平洋戦争・・開戦当初は世界最強の海軍力 自国の弱点に目を背け 精神論で引っ張り続けた
社長が言いたかったのは、ずっと右片上がりで業界1強状態の傲慢さ、いらぬプライドの高さに括を入れたかったのだと思います
山本権平の組織大改革
日露戦争の勝利の決め手の日本海海戦 やはり注目されるは東郷平八郎ですが、その基礎となる組織大改革を行った人物がいます
山本権平 です
世界の近代史を観てもこれだけの組織改革をした人物はいないのではないでしょうか・・・
日清戦争後は、三国干渉から将来のロシア帝国の脅威に対抗出来る海軍に改革するために、人事を含む大規模な海軍における行政改革を断行しました
当時の山本権兵衛は軍務局長でしたが 将官8人、尉佐官89人に及ぶ士官のリストラを断行します 現役の軍令部長の中牟田倉之助さえも対象となる世界の海軍でも例を見ない大リストラであり、山本と個人的に親しかった士官も容赦なく整理対象とする徹底ぶりでした
しかるべき教育を受けた人間を士官=リーダー にするのが本道
様子を見て選抜するのではなく 初期の初期から士官としての教育をする
過去の功労者からなった士官をすべてはずし 海軍学校出身者=正規教育者 で組織を組みなおす
組織はリーダーの実力で決まる
アジアの各国が西洋列強の植民地になっていく現状を考え 組織大改革を断行したのです 暗殺されても不思議でないくらいのリストラです
過去の実績は関係ない 問題はこれから何が出来るか 新社長はそんなことが言いたかったのだと思います
改革は時に痛みを伴う
人を育てる 若手に任せる 未来に向けて改革する ・・・
こういう言葉は聞こえが良く 好む人が多いです
ただ未来に向けて進もうとする時、大きな痛みを伴うこともあるのです
決して カッコいいものでもなく 美しいものでもありません
どうせ批判されるのだから
自分の正しいと思うことをやりなさい
ルーズベルトの夫人の言葉です
批判する人は自分の言葉に責任を持っていないことが多い
対して実行する方は結果に対して責任をとらなければならない
山本権兵衛ほど早急にリーダー交代はされませんでしたが、じわじわ高度成長期の功労者はリーダーではなくなり、バブル崩壊後に入社した人間がリーダーになっていきました
様々な社長批判は聞きましたが、世代交代なしにバブル崩壊後の長期低迷社会を乗り切れなかったと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました