この世は陰陽で出来ている
算命学の東洋思想の核となっているものに『陰陽説』があります
明るいがあるから暗いがある
熱いがあるから寒いがある
長いがあるから短いがある
早いがあるから遅いがある
高いがあるから低いがある
この世の中はすべて陰陽2つで出来ている
ずっと気温50度の国もありますが、彼らは「暑い」とは口にしません
寒いが無いからです
陰転・陽転というように「あの人は陽転すると明るくて親切」「陰転するとむっつり拒否的」などと使われ、陰というと悪いイメージがありますが、人には必ず陰の部分があります
周りを陰に観ると、人を疑ったり、批判したり、時に攻撃したりしますが、世の中が陰の部分と陽の部分があるので、陰の部分をもたないと人は非常に生きずらくなり、ずるい人間の餌食になったりします
キレイに正しく、あたたかく生きたいですが、そもそも人間は生きている植物と動物の命を頂くことでしか生きながらえることができません
ひとりの人間が天寿を全うした時に、かなりの量の植物と動物の命を搾取することになります
スーパーで売られている野菜や肉・魚しか見たことがないので「牛を殺す」という実感がありません
環境問題に正義の雄叫びを上げる人達がいますが、行きつくところは「人間なんていない方がいい」という考えを口にします
「人は己が生きる為に自然を破壊する」という思想に行きつくのでしょう
人間には生きる為に備わった『陰』の部分が必ずあります
陰陽の氣を浴びながら成長していく
戦後多かった女の子の名前は「明子さん」「陽子さん」「正子さん」だったそうです
悲惨だった太平洋戦争が終わり「明るく、やさしく、正しく生きねば」という想いが名前に表されているそうです
明るく・親切に・正しく生きたいとは思っていても、むっつりして人に対して拒否的な時もあれば、時に世の中に対して批判的な時もあります
生きていれば様々な「陰の気」「陽の気」を浴びながら、人は学習し成長していきます
ただ、基本的には『陽』であろうとします
明るい自分・親切な自分・正しい自分が好きで、そうあろうとします
それでも世間から『陰の気』を浴びるし、しばしば陰転します
陰陽のバランスをとることを一生を掛けて学んでいきます
陰から陽に進む時素晴らしい言葉が生まれる
徳川光圀の
苦は楽しみの種
楽は苦の種
という名言があります
水戸黄門の「人生、楽ありゃ苦もあるさ・・・」で有名です
優れた人は「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」をよく理解しています
そしてあえて「苦」からスタートさせることが多いです
私達凡人はどうしても「楽しい」「便利」「うれしい」などの「陽」方向ばかり見つめてしまいがちです
このような性質からも「哲学を学べ」と言われるのかもしれません
「天といえども」という『菜根譚』 の言葉があります
天、われに薄くするに福をもってせば
われ、わが徳を厚くしてもってこれを迎(むか)えん
もし天が私を冷遇しようとするのなら
私は自分の人格を磨くことによって幸福を勝ち取ろう
の意で
「たとえ大変辛い境遇におかれても、それによって自分の心までが荒みきったりすることが無いように自らの内なる心の充実を保て」
天が苦しみを与えてくるなら、さらに人格を高めて、苦しみを幸福に変える人格をもつ
という人生に対しての強い姿勢を表現した言葉です
算命学では『陰が極まれば陽となる』といいますが、立派な思想を生み出す人もいるものだと感心させられます
陰から陽に転ずるときに多くの名言が生まれているように思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました