自己理解の二つの視点
私達は〈自分〉という人間をどのように理解しているのでしょうか?
大きく分けると〈セリフ〉と〈ソーシャルセルフ〉の2つの視点から自分を理解しています
自己理解(セルフ)
「自分とはこのような人間だ」と自分を自分で理解している部分
社会的自己理解(ソーシャルセルフ)
他者が自分を評価したものを基準に理解している部分
この理解は〈所属欲求〉を抱く社会的動物である人間に大きな影響を与えます
そもそも無人島に1人だと
「自分は背が高いか低いか」
「足が速いか遅いか」
「字が上手いか下手か」
などわかりません
劣等感も優越感も、他者との比較で生まれます
集団A・集団B・集団Cで評価は分かれたりします
個人でも人によって評価は違います
社会的動物である人間に必要なこと
自分を正確に理解することにより〈周囲に迷惑を掛けない〉〈チームに役立つようにする〉など周りに適応しようとします
集団A・集団B・集団Cで集団にあった自分を演出します
子供は〈教師に見せる顔〉〈友達に見せる顔〉〈親に見せる顔〉があると言われるのは、適応するための本能です
接する相手や場面によって、自分の姿を知らず知らずに演じています
自分の意見や態度が妥当であるか判断し、その評価を正確に把握することは、社会に適応して生きる上で非常に重要なことなのです
学校の役割は『知識・技能の習得』と『集団行動を身に着ける』ことです
集団行動の中で自己理解をしていきます
「僕は足は速い」
「私は絵が上手い方だ」
「僕は計算するスピードは普通だ」
「私はどうも歌が上手くないようだ」
「作文が苦手だ」
『集団で行動するスキル』『集団の中で自己理解を深める』ことは大切なことです
自己高揚動機 が根底にある
他者と比べることにより自分を評価しようとする根底には
『自己高揚動機=優れた存在でありたい』が大きな影響を与えています
その為に他者から良い評価をもらわなければなりません
自己高揚動機が強いと、他社からの評価に敏感になります
高田純次さんが「俺は後輩に対して〈自慢話〉と〈説教〉だけは絶対しない」そうですが、男性にたまに見受けられるのが〈自慢話〉と〈説教〉癖です
成功や優れた点を強調=「私はこんなにすごいんだ」
失敗や劣った点を否定=「私のせいではない」
は自己高揚動機の表れです
これが強すぎると、誇張や虚勢を張りすぎたり、八方美人などと見られたりします
集団で生きる動物であるが故の〈利点〉と〈難しさ〉があるようです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました