人はいくつもの顔をもっている
『八面観音』というものがあります
「人は八つの顔をもっている」という意味ですが、八重人格とかではなく「八つの自分が常に話し合って決めている」という意味のようです
よく漫画に出てくる「善の自分と悪の自分の議論』は誰でもわかりやすいと思います
もし8人の自分がいるなら、決断が早い人は圧倒的に一人の強い人格が仕切る独裁国家で、考えすぎて決断が遅い人は皆がそれぞれしっかりした発言をしている民主国家といえそうです
頑張り屋の自分と怠け者の自分
やさしい自分と冷たい自分
明るい自分とむっつり拒否的な自分
健康志向な自分と健康無視の自分
仲間を求める自分と孤独を好む自分
いろいろありますが、やさしい人がたまに冷たい面を見せたりすると「あの人の本性は冷たい」などと評価されたりします
人は極まれに出す顔を「その人の本性」と見るところがあります
やさしい顔9対:冷たい顔1ならその人はやさしい人だと思います
また、ずっと自分の奥底に隠れていた顔が「就職してから出た」「子供をもったら出た」「管理職になったら出た」などもあります
「大雑把でのんきだと思っていたが、子供が生まれたら細かくて神経質な性格を良く出すようになった」などです
人には稼働している性格と稼働していない性格があるようです
甲と乙
西洋よりずっと古く東洋には東洋の心理学があります
陰陽五行説からくる十干は東洋では人を見るのには欠かせないものです
甲と乙などよく目にしますが「甲は直=まっすぐで強く固い」「乙は曲=柔らかく曲がりやすい」という意味で、甲が大木のように天に向かってまっすぐ伸びていくのに対し、乙は草花のように横に広がっていく様子を表しています
「絶対妥協せず、これはやり抜いてみせる!」というのが甲の自分で、信念派ですが頑固です
「周りの状況を見ながら柔軟に対応する」というのが乙の自分で、柔軟ですが信念などはありません
「曲げたくない自分」「人に合わせる方を選ぶ自分」人は多かれ少なかれどちらも持っていると思います
甲乙の次に丙丁がきます
「丙は明暖=広く明るく照らす」太陽のような様子で「丁は孤明=狭い範囲を照らす」ろうそくの火のような様子です
周りをパッと明るくしてくれる人がいますが、広く公平に明るくしてくれるのは得意ですが、太陽が洞窟や橋の下を照らさないように特定の困った人には「ただの暑苦しい人」に見えたりします
対して、ろうそく・懐中電灯は特定の範囲にスポット的に明るくしてくれます
常に周りを明るくしてくれる人も必要なら、本当に困っている人に寄り添ってくれる人も必要です
私達の生活に太陽の光と人口の光があるように、人の明るさも2種類必要です
いつの時代も多様化は必要だった
丙丁の次に戊己がきます
「戊は不動=動かない動じない」そびえる山のような様子で「己は広平=広くて平ら」人々が暮らす平らな大地のような様子です
組織には、どっしり構えて動じない、威厳のある人が必要です
落ち着き払い、何事にも動じない人です
対して、庶民的で気さくな周りに気を使う平和な人も必要です
ただ、戊的な人が増え過ぎると威圧的で、人を見下すような組織になり
己的な人が増えれば、何かあった時に皆で右往左往するような組織になってしまいます
東洋では十干で表してますが
一つの要素が強く出ている人=才人
全てのバランスのいい人=徳人
としています
古代社会より多様化は必要とされていたようです
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