解雇は自由にできる方がいいのか
労働法を改正して「解雇規制を緩めたい=米国のように自由に解雇を出来るようにする」ことにより人材の流動化を活発にしたいという声が高まっています
その一方で「弱者切り捨てだ!」「いらなくなったら簡単に解雇できてしまう」という反対意見も多いです
『衰退産業から成長産業へ労働力の移動を!』『その為にリスキリングを!』は正論ですが、そう簡単にはいきそうもありません
社内を見ていても『リスキリングにより異なる分野へ異動に賛成』は若い世代で、日本の労働力のボリュームゾーンである50代は拒否的だそうです
米国のように解雇規制が弱く、活発に人が流動する社会の方が変化と競争には強くなりますが、少し前まで終身雇用であった日本がメンバーシップ型からジョブ型に簡単に移行することができるのでしょうか?
「労働力が足りない!ニートの若者のせいだ!」などと言う人がいますが、実は働いていない50代が多く、介護や病気もありますが「役職定年で平になった」「早期退職制度」「給料が下げられた」「なかなかいい転職先がない」などの理由が非常に多いようです
50代は給料が高く、リスキリングして変化対応する気もないのなら「若い人の方がいい」と思われがちです
解雇規制が厳しくとも50代は社会変化を受け入れられずに自主退職しています
日本は解雇できない法律の方が良い
昭和の時代は終身雇用&年功序列はプラスにはたらきましたが、平成では悪しき構造で長きにわたる社会の停滞を招きました
日本はもっと自由に解雇できるようにした方がいいのでしょうか?
哲学者のマルクス・ガブリエル氏 は「日本は解雇ができない会社運営が望ましい」と述べていました
「大いなる和の国 大和」というくらいですから『和合性が日本民族の特徴』であることは確かです
故に「コミニュケーション能力が大事」「空気を読む」「同調圧力が強い」などの独特の気質が生まれます
ただ、協調性・調和性などの日本人気質は優れた面も多く、それを生かした組織運営をすべきなのかもしれません
大和民族はアングロサクソン系の国々とは大きく違います
X世代とZ世代同居型社会
X世代は「解雇が自由になることには反対」「リスキリングして違う仕事へ異動に対して拒否的」で、平成入社ですが昭和の雇用の思考をけっこう引きずっています
Z世代は逆に終身雇用&年功序列世代を「ぶら下がりおじさん」と呼ぶくらいなので、しっかり学び、新しいスキルを身につけて「自己成長してステップアップ転職を繰り返す」というスタイルですから両者は大きく違います
今の日本はこの異なる雇用を望む世代が混在した社会だといえます
「日本はX世代が減り、Z世代比率が高くなれば自動的に流動性のある労働市場になっていく」と言われています
とはいえ、X世代は70歳までは働き、Z世代は80歳まで働くと予測されてますので、まだまだ先のように見えますが、X世代は住宅ローンも終わり、子供も大学を卒業してしまえばたいしてお金もかからず、ゆるゆると責任もない職務で働きだしますので、自動的に会社の舵取りはY世代とZ世代が中心になっていきます
自然にメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に変わっていくのであれば、強引に解雇規制緩和などせず、流れに任せればいいと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました