大企業からの転職者は増えていく傾向
徐々に終身雇用が終わっていき、人材の流動化が活発化すれば転職が多くなります
大企業は採用力があるので次から次に優秀な人材が入社してきますから人材不足になる危機感はありません
優秀な大学生が毎年多数入社してくるわけですから、むしろ人がだぶついてきて〈早期退職金制度〉〈役職定年〉など40代中盤から50代を減らしたがります
私の元同期は「これは戦力外通告だ!」「残っても姥捨て山のような部署に廻される」と言います
それでも残留する人もいれば、やりがいを求め新天地へ進む人がいますので『人材の流動化』が活発になります
高度成長期にはベストだった終身雇用も今の時代では成長を阻害する元凶となり、代わってジョブ型雇用が新しい社会の仕組みになっていきます
6割はジョブ型雇用、4割は永年雇用となるとみられています
「苦労して難関大学を出て入社した大企業だが、必要とされないのならば自分を必要としてくれる企業に行こう」と大企業から中小企業への流れが多くなりました
自ら経験した大企業から中小企業への転職
私も新卒で入社し24年在籍した大企業から創業して6年の小企業へ転職したひとりです
経営コンサルタントになった先輩の会社がワンクッションありますが、その時に履歴書と職務経歴書を見た先方の社長が「この人の経歴が理想」とえらく気に入ってくれ「そんなに自分は価値があるんだ」と少し鼻が高くなったのを覚えています
もう一つヘッドハンティングをされていた企業の営業本部長と合ったとき、その会社に引き抜かれた同じ会社のM先輩の話を聞かされます
予算規模の大きい支店を2つも経験したことのある、ずっと経歴が立派なM先輩ですが「あいつ?全然だめだね!本人にも『おまえは自分で思ってるより使えないよ』とハッキリ伝えた!大方全部部下にやらせていたんだろ!あれじゃ中小企業じゃ通用しない」と聞かされ危機感を強く覚えたのを覚えています
実際に大きな組織から小さな組織に移ると『守備範囲の広さ』にビックリします
数字をあげていればいいというものではなく、採用するなら採用媒体を申し込み、面接の段取りや入社の教育、各取引先に出向き仕入れと企画の打ち合わせ・・・・
今までは人事部・採用企画部・教育企画部・総務部・商品本部・営業企画部がしてくれていた仕事を全部しなければなりませんし、副支店長などいません
『内野も外野もすべてが守備範囲』という感じです
次に引き抜いた後輩はアウトローだったせいか「全部自分の裁量で出来る!」と生き生きしていましたが、その次に引き抜いた私の同期は『指示だけ出していれば誰かがやってくれる』という『The大企業病』で使うのにえらく苦労しました
そういう元大企業社員に限って「前の会社は・・・」とよく口にします
部下からは「前の君」とあだ名をつけられていました
取引先からも「大企業から来た部長が我が社で孤立している」など耳にしたこともあります
盲目に大企業の社員を採用しないこと
大企業から中小企業に移ったら力が出せない人は意外に多いです
問題は「大企業だから優秀な人に違いない」と盲目的に採用する側にあります
多くの人や部署が掛け算されて実績が良かっただけかもしれません
営業で見ても大企業の古いマネジメント職は『KKD=経験・勘・度胸』を重視する人が多いですが、売上を取りこぼすと打撃の大きい小企業はデータ分析から精度の高い営業をしています
KKDでマネジメントしてもやっていけたのは部下が自分で考えて動いていたからでしょう
大企業のマネジメント職はピンにすると大したことがない人も多いです
現在大企業が放出する人材を中小企業が喜んで採用することが多くなっていますが、近いうちに「大企業人材の採用は要注意」と警告が鳴るような気がします
今後は大企業から中小企業への流れは多くなり、中小企業の方がやりがいはあると思いますが「自分は歯車としては優秀だがマシンとしてはどうなのか?」を良く見つめ直さないと「こんなはずじゃなかった」となる大企業社員も出てくると思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました