時代背景で就職観も変わっていく
就職も時代背景により、選ぶ産業、就職先の企業の志向が変わっていきます
「とにかく働けることがありがたい」「きつくてもたくさん稼ぎたい」「余暇を楽しみたい」などは人それぞれでもありますが、時代背景もあります
私が最初に選んだ企業は〈週休三日制を目指している〉〈30歳モデル賃金が高かった〉ことがポイントでした
グループの関連会社は既に完全週休三日制でしたが、自分の会社は隔週週休三日にしかなりませんでした
とはいえ、給料はまずまず高く、年間休日も有休除いて170日あるわけです
経営陣は『会社の未来は若い世代が創る』というのをよくわかってます
「現代の世代は自分の時間を多く確保できることを好む」と判断したからです
社員寮も廃止⇒「帰ってから会社の先輩と顔を合わせるのを嫌がる」
出張・研修もホテルはシングル
管理職に対しては無駄な残業をさせないことを周知徹底していました
会社の上層部は〈団塊の世代 1947~49年生まれ〉が占めています
日本の高度経済成長を支え、会社の拡大に身を粉にして働いてきた世代です
「休みが多くて会社を選んだ若者など軟弱だ!」
などはよく言っていました
支店長会議にも人事部長自ら「巨人の星・あしたのジョー・タイガーマスクの根性もので育ったあなたたちと違い、彼らは『ガンダム世代』です」
という世代文化の違いを懇々と説明したようです
私以降の世代から「つかみどころがない世代」となっきています
そんな私も〈Ⅹ世代〉と呼ばれる古い世代になりました
時代環境で考え方・行動様式も変わる
採用も 教育も 販売も Z世代にシフトした視点をもたないと企業は取り残されます
そもそも各世代を簡単に言えば
【ベビーブーム世代・1945年~1964年頃生まれ 】は人口のボリュームゾーンです
『豊かな日本』で生まれた世代で、ここからは物も食も不自由なく、アメリカのような豊かな生活の中で育った世代になっていきます
モーレツ世代とも呼ばれ、根性と気合でバリバリ働いた時代です
ブラックもホワイトも関係ありません
【X世代1965年~1980年頃生まれ】ここから「最近の若い奴はつかみどころがない」などと言われ始めます
1980~1990年代はIT環境が整い始めた時期で、アナログからデジタルへの適応してきたことから「デジタルイミグラント」とも呼ばれ、多くがパソコンを難なく使いこなします
メディアが普及した時代に生きており、成長してからは携帯電話やインターネットが普及した時代背景から『バランスよく情報収集をする』のが得意で、この世代から勘や気合より『データ重視』のリーダーが多くなります
この世代は『人とのつながりを大切にする』のも特徴で、親しい人達と楽しく生きることを求めます
高度経済成長期からバブル崩壊を目の当たりにしており『未来への期待感が低い』のもこの世代からで、短時間で結果を出せる「効率」を重視します
【Y世代・1980年~1995年頃生まれ】この世代はインターネットが中心になってきており「最近の若い奴は新聞を読まない」などと言われたりしますが、多くの個人の考えに触れてきたので『多様性を認め、他人との違いを個性として受け入れる』特徴があります
Ⅹ世代の個人主義的生き方の影響から『十人十色の意見をまとめるリーダーシップが強い傾向』が利点です
バブル崩壊後の就職氷河期等の冷え込んだ経済環境で育ったため『安定志向を望む』傾向にありモノへの執着は薄く、浪費家は少ないです
【Z世代・1995年以降 生まれ】生まれた時から不況真っただ中です
これからのマーケティング対象として企業でも注目されていますが、アメリカがZ世代32%・Y世代31%に対して日本のZ世代は人口の15%しかいません
当たり前にインターネットや各種デバイスがあり、情報収集・勉強・就職・趣味娯楽などの行動はデジタルデバイスを通じて行なわれ、情報洪水の中から正しい情報を自身で判別する『ネットリテラシーが高い』世代です
故にテレビ新聞などの『マスメディア離れ』も多いです
最新機器に慣れ親しんでいることから『新しいテクノロジーを歓迎する』のも特徴です
この世代は『社会への貢献意識や課題解決意識が強い』ので社会貢献を重視した企業活動をしている会社を評価し、就職活動や消費活動をします
ブランド品などにあまり興味がなく〈売上NO1〉〈日本一のロングセラー〉などのトークには引かれません『自身が価値を認めたモノやサービス』のみに支出します
理不尽・性差別などを憎み『社会貢献をしっかりできる企業を選ぶ』傾向にある為「売上が高いけど社会にさほど必要とされていない企業」などには関心をあまり持ちません
若い世代を育てるのが最重要な仕事
子猫を連れてきて可愛がったりすると、最初からいた猫が嫉妬していじめたりします
嫉妬はネズミでもするそうです
人間も同様で、若い世代ばかり大切にしているように感じると
「俺たちが会社の売上を作っているんじゃないか!」
「俺たち世代が会社をここまでにしたんじゃないか!」
という声が上がったりします
これはおっしゃる通りなんですが、商品が時代の求めるものに変わっていくように、社員も次のバージョンを育てていかなければなりません
商品やサービスは「もっといいサービス」「次のヒット商品」と常に考えています
売上に直結するからです
『重要で急ぐこと』は売上です
『重要だが急がないこと』が人材育成です
「Z世代の求める商品」は考えても「Z世代の育成の仕方」には無関心な方は多いです
「今の売上を作ること」と「未来の人材を作ること」は両立しなければならないという視点が組織には重要だと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました