業界により採用は違う
長男がただいま就活真っただ中です
長女は社会に出たので、来年三番目が就活に入り終わると、大学の学費とそれぞれの家賃がなくなり一気に家計が軽くなります
22年間の学習期を終えれば、親はぐんと楽になります
「採用の責任者なんだから、子供の就活にもいいアドバイスできるのでは?」と思われがちですが、業界により採用の考え方や手法は大きく違います
長男は食品業界が中心で「企業規模の割に採用数が少ないな」と感じます
多分人が辞めないので、定年退職した人の分しか採用しない会社が多いようです
極めて定着率の高い業界のようですが、逆に私はリゾート部門で宿泊業の採用にまわりましたが、人はどんどん辞めるので最初のうちはびっくりしました
私の前任者は「穴の開いたバケツに水をくむ仕事」と言っていたそうです
今までの採用業務のキャリアで『質にこだわった採用』と『量の補充の採用』の両方を経験でき、キャリアとしてはノウハウは蓄積出来ました
長女の場合、大学二年に見つけた会社一本で明確にターゲットを絞り、その為に4年間では済まず、さらに進学しました
三番目は「丸の内で働きたい」というところから始まって、業種はその後のようです
私が大手時代は転勤ばかりでしたので、長男は「せいぜい東京・名古屋間くらいしか動きたくない」と全国転勤の大手は避けているようです
逆に三番目は「大企業ほどいい」という感じです
企業を選ぶ目も、人それぞれです
人が辞めないのはいい会社か?
総務部の部長は、最初に新卒で入った某大手企業が『新卒入社定着率日本一』だと自慢げに語ります
「何百人も入っても定着率が高い!いい会社の証だ!」ということです
一般的には『良い会社=定着率がいい』となりますが、採用担当が悪くていい人材が採用できていないので、すぐ辞めるような人材ばかり入ってきている場合だって見かけます
取引先の社長は「うちは全く人が辞めない」と語りますが、自慢話ではありません
「定着率が良いせいで会社の高齢化が進み、とうとう平均年齢が50歳になってしまった!」と嘆きます
「Ⅹ世代1/3、Y世代1/3、Z世代1/3が理想のバランスとは言うが、かなり偏った人材構成になってる」というのが問題のようです
皆、営業成績もよく、顧客をしっかり管理していて、しかもまだまだ働きたいと希望している
「今はいいけど、若手がいないつけがいつかドカンとくる」と悩んでいます
「100人定年退職だから100人若手を採用して」という循環ができているのは一部の大企業くらいです
「人がすぐ辞めて・・・」「人がなかなか辞めなくて高齢化が問題」などなど、思うように採用の上手くいかない企業は多いです
宿泊業は人の定着率の悪さは常にTOP3に入りますが、とある名古屋のメーカーの人事の方に「うちは2000人の従業員がいて、8年ぶりにパートのおばちゃんが辞め、募集を出しました!ほんと宿泊業はフレッシュな顔が毎年入ってきて羨ましい限りです」と言われます
定着率が良すぎると「流れない水は澱む」定着率が悪いと「急激な水の流れ」となるようです
人手不足は深刻化する
個人的に「死ぬまで働きたい」ので自分でも事業をしていますが、建築業界の人を見ていると現場で若い人を見ることがほとんどありません
「団塊の世代が、もう限界だと次々辞めていき深刻な職人不足だ」と語ります
建設業界は昭和の頃「やんちゃな子供の受け皿」になっていたそうです
「最近はほとんどが高校に進学するし、年々子供の行儀も良くなってきた」
「昔は、お前みたいなやつはうちでしか雇わないんだぞ!ありがたいと思え!と半分親みたいに𠮟咤激励して面倒をみてきたんだけど」
と社長は語ります
『仕事はどんどんくるけど人手不足で受けられない』という業種はたくさんあります
こちらも、ちょっとでも安くしようと値切ったりすると、高額な仕事の方へすぐにいかれてしまいます
この人手不足は
・新入社員の給料の増
・若手や中堅の給料増
・転職市場の活発化
・シニアの採用の積極化
・マシンの発展
・AIの活用
という流れを作ります
「AIに仕事を奪われる」と騒ぐ人がいますが、AIの代替えより人手不足の進行の方がはるかに速いです
外食では、無人受付、無人調理の店も増えています
AIが人間のバイトをマネジメントしている店舗だってあります
たしかに見ていると「仕事を奪われるんじゃないか」と感じますが、それよりも労働人口の減少速度の方が早いです
これは採用・雇用のあり方を大きく変えていくと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました