団塊世代以前のモチベーションとは
働くにはモチベーションは重要です
前回は収入格差により社会がバランスを壊れていくことを述べましたが、今回は『モチベーション格差』について述べていきたいと思います
働く従業員のモチベーションは非常に大事ですから、管理職やリーダーは「いかにモチベーションをあげて仕事をさせるか」は重要なテーマです
特に「最近の若い世代はどうしたらモチベーションをあげてくれるのか」に頭を悩ますリーダーは多いです
戦後の物のなかった時代はとにかく豊かな生活の為に〈作らなければならないもの〉が多かったです
冷蔵庫・洗濯機・掃除機・自動車・クーラー・テレビ・炊飯器・アイロン・電子レンジ・・・これらの生活必需品が全くなかったので『とにかく作る』『とにかく稼いで買い求める』で経済はぐんぐん伸びていきました
松下幸之助さんも「生活必需品を無尽蔵に作り続け貧困をなくすのが使命」と語っています
物の行き渡った現在、無尽蔵に物を作ったら大変なことになります
例えば北朝鮮が民主主義になったら無尽蔵にものが供給されていくと思います
『ないものを埋めたい』が団塊世代以上のモチベーションだったのです
その為に達成や成功に価値観が置かれています
大企業の上層部はまだこの世代が多いので高度成長期のモチベーションは引きずられています
環境変化とモチベーションの変化
Ⅹ世代となると物が行き渡った時代になります
ここから働くことへの価値観は変化していきます
私も「週休三日を目指している」ということが最初の会社を選んだ理由の一つです
「自分の時間がもてないなんて豊かではない」という価値観が強くなり、企業も「給与だけでは優秀な学生は採用できない!休みを充実させないと」と考え始めた頃です
上の世代には
「ノルマを達成してないから休日出勤しろと言ったら嫌な顔された」
「プライベート重視する奴ばかりだ」
と批判され『新人類』などという言葉で呼ばれていました
1人暮らしをしている自分の部屋には生活の為に必要なものはすべて有ったので満たされての労働だったのです
この世代から『自分のプライベートがしっかり持てる』ということがモチベーションになっていきます
Y世代になると『物が行き渡った社会』+『長引く不景気』でいよいよ企業は求人を必要としなくなります
「総合職希望なのに一般職しかなれない」
「正社員希望なのに契約社員しかない」
など不遇な扱いを受ける人が多くなります
様々なハラスメントが社会に認知されていたころです
この世代から『良い人間関係で働きたい』というモチベーションが強くなっていきます
全てが完成した社会
Z世代となると『すでに作られた社会』になり、大きな枠は変えられない中で働くことになります
団塊世代が「自分の仕事が社会の成長・社会貢献に繋がる」と実感できたのに対し、すでに作られた社会ではそれを実感できません
Ⅹ世代の「自分の時間を大切にしたい」
Y世代の「良い人間関係で働きたい」に加え
Z世代は「好きなことを仕事にしたい」が強くなります
団塊世代前後の指導者は「プライベート重視」「人間関係の良好な環境」「好きな仕事」というキーワードを理解しないと若者のモチベーションは上げにくいです
以前3日間管理職の「若手社員のモチベーションアップと定着率」という授業を受けに行ったとき、担当の講師が「今日はⅩ世代とY世代の管理職ばかりで、その前の世代がいないんですね!よかった~」と言ってました
その前の世代に若者の育成の特徴を話しても
「そんなことでは売り上げが伸ばせない」
「そんな育成をしていたら立派な社員は育たない」
「会社がますます弱くなる」
と反論を受けることが多いらしいのです
『モチベーションの格差を理解すること』と『未来を作るのは若い世代』ということを考えて組織運営をしないと偏った世代だけの組織になりかねないと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました