「聴く」は「話す」
社外顧問がいた時期がありました
「人を活かして企業を活性化する」という立派な方です
たしか70歳を越えていましたが頭脳明晰な紳士です
営業本部は当時15のエリアに分かれてました
最初は最も予算規模の大きい私のいる首都圏エリアです
当時の私は支店長で絶好調期でした
絶好調期の人間はある意味もっとも成長しない危険期でもいあります
謙虚なようで考えを変える気はない
周りは注意したくても業績がいい人間を注意しにくい
慢心と思い込みが芽生え始めている
私のいたエリアには18人支店長がいました
「俺は何を注意されるんだろう?」
各支店長 勝手に推測をし始めます
「俺は在庫過多を言われるだろうな」
「俺は販促費だな」
「俺は定着率が一番悪いからな・・・そこだな」
私は「短期計画や長期ビジョンはいいが『中期計画があいまい』と言ってくるだろう」と推測をしていました
が・・・思わぬことを注意されます
ひとりひとりではなく全員まとめてです
「あなたたちは喋りすぎです」
?????
もっと受信を多くしろ
「朝くれば気合十分の朝礼」
「その後は各スタッフとその日のスケジュール確認」
「自分の都合で呼び出すミーティング」
「それが終わると『指示』『指示』『指示』」
「始業から終業までぺらぺらぺらぺら・・・よくしゃべりますね」
意外な切り口で注意を受けます
「どこの会社でもそれが普通のマネジメントだろ」
と誰もが思います
「発信過多なんです!受信が本当に少ない」
?????
「スタッフが求めているのは『期待されること』より先に『理解されること』なんです」
「どういうプロセスでその結果なのか・・・
こういう努力をして こういう工夫をした
でもイマイチだった
意外にスムーズにいって努力なしに結果が出た
これに悩んでる
あれに困ってる
なにを助けてほしい
受信が少ないから把握できてないでしょ?」
三流の長は仕事しない人
二流の長は発信して仕事だと思ってる人
一流の長は受信が大切なことだと判っている人
「あなたたちは二流です!」
プライドが高い人が集まったエリアです
「そうなんだ!直しま~す」とはなりません
ただ日常業務に戻るとすぐに理解できます
スタッフに対し
『見る』でなく『観る』
『聞く』でなく『聴く』ようになります
「ほとんどが小さな工夫をたくさんしている」
「話したくても『忙しいんだぞ』というオーラをこちらが出している」
「誰もが支店の業績に貢献したいと思っている」
どの支店長もわかってきます
何かあった時は「まず話を聞くこと」
自分たちの欠陥だったことに気付きます
でもプライドは高いので『二流』を『TYPE2』などと表現したりしました
自己改革には心の痛みを伴います
最初に苦痛を伴うのがプライドだということです
聴く+観る=恵まれしを知る
「知恵を出せ!」と言われると
何か素晴らしい新しいものを考え出すことのように思いがちです
知恵とは『恵まれしを知ること』
自分の置かれた足元を見つめ直して「恵まれていることを知る」という意味のようです
『聴く』『観る』がないとそれを知ることが出来ません
恵まれしを知らないと
不平不満が増えたり
結果だけを見て一喜一憂したり
周りが見えていない状況になります
長とはいつでもバカ殿になりえる位置にいます
これは親にも言えることで〈すべての目上〉にはほぼ当てはまることです
定期的に『耳に痛いこと』を取り入れることは大切なことかもしれません
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました