人と人の間を生きるのが人間
地球上には群れで行動する生き物と、単体で生きる生き物がいます
対した強さも、逃げ切れる早さもない人類は集団で生きる道を選びました
引きこもった生活をしている人も、電気に関わる人や水道ガスに関わる人、ネットに関わる人やゲームを作る人など多くの人のお陰で生きることができます
「俺は誰とも一切関わらずに生きるんだ!」とサハラ砂漠に1人で生活しようとしても数日しか生きられません
人と人の間を生きるから人間というのは古来より切っても切り離せないものです
人間関係は非常に重要で、人間関係が悪いのが退職理由の陰の一位に上がり続けています
とある人のせいで、退職者が多いなどという組織もあります
マズローの欲求段階説でも、食や安全が満たされ生命維持ができる環境の次は『人間関係の安定』になります
ブッダの人間関係対処法
良好な人間関係を築き保つことは、私たちが安心して生きるための最も基本的かつ重要なことになりますが、人間関係を良好に保つことは簡単ではないのです
夫婦でも親子でも、職場でも『人間関係こそが、あらゆる生活技術の中で最も難しい』と言われています
ビジネスマンにとって、あらゆるビジネススキルの中で最も習得が難しい技術が「人付き合い」と言われます
故に人間関係が下手な人より巧みな人のほうが、ビジネスは圧倒的に有利になるといわれ、少しでも人間関係が巧みになれば仕事がもっと楽しくなります
佛心宗大叢山福厳寺住職の大愚 元勝さんはブッタの人間関係の対応策を説明していました
2500年前にブッダはその原因と処方箋を発見して伝えたとされ「あらゆる苦悩には原因がある」と説いています
人間関係の苦悩の原因とは「自分」である と言い切ります
知性の高い人は基本的に『原因自分論』で全ての問題を解決していきます
多くの人は、思い通りにならない人間関係の原因を自分ではなく相手に求め「あの上司は性格が悪いから」「あの部下はバカだから」などと言って、自分の意見が通らない理由を相手の能力や性格のせいにしていると説きます
いわゆる『原因他人論』です
少しでも苦痛を減らし、良好な人間関係を構築したければ、痛みの根本原因に真正面から向き合うことが大切です
ブッダは人間関係の中で衝突が起こる原因は、私たちの心がわがままで、すぐに比較したがる性質を持っているからだと説き「我」と「慢」と呼んでいます
「我」とは「私こそはこの世でもっとも優先されるべき、大切にされるべき優れた存在である」という感覚
「慢」とはそんな思い上がった「我」が他人と比較すること
他人に接するとそれが誰であれ、瞬間的に「自分より優れている」「自分より劣っている」「自分と同じぐらい」という三つのカテゴリーに分類し、優れた相手の前では媚びたり卑屈になり、劣っていると感じた相手には見下したり、同じぐらいだと感じた相手には、ライバル心を持ったりする性質があるとブッタは説いています
争いの渦中にいる人の「7つの性格」
ブッダは人の心には「他人と争う種となる7つの性格が潜んでいる」と説いてもいます
①すぐに怒り、怒ったらなかなか静まらない性格
②他人を認めず、自己主張が強い性格
③嫉妬心が強く、ケチな性格・・・他人の成功や幸せを素直に喜べない嫉妬心
④自分の利益しか考えない 計算高く、口が上手く、常に自分の利益を優先してものごとを進めようとする性格
⑤悪意に満ち、邪見でものをみる性格 ・・悪意のある人とは約束やルールを守らず、ズルをしたり、人を騙すことが平気な人
⑥享楽主義な性格 ・・今だけ、金だけ、自分だけの人
⑦頑固で偏見な性格 頑固な性格・・客観的にものごとを見て判断することができず、見聞きしたことを鵜呑みにし、いったんそれが正しいと信じ込むと、頑としてその意見に固執する性格
の7つです
幸田露伴も『人は自分の性格と異なる運命には出会わない』と強調しており、言い換えれば『運命が性格を創る』ということです
人間関係をうまく活かしたければ、先ずこれらのいずれかの性格が大なり小なり自分の中にあると気づき、認めることで思い上がりを捨てて謙虚さを育てることができるし、他人に対する寛容さを持つこともできる
さらに「4つの心を育てよ」とブッダは説いています
①布施 ・・相手の立場に立ち、持てる能力や感性を活かして相手を助けること
②愛語 ・・相手に思いやりの心をもち、相手が喜び楽しくなるような言葉を話すこと
③利行 ・・人の役に立つ行い、社会の役に立つ行いをすること
④同時 ・・相手の年齢・性別・人種・社会的地位・保有資産などにかかわらず平等に接すること
二流、三流は自分の愚かさに気づかず、嫌な人間関係を避け続けて、結局そこから逃れることができないが、一流は自分の愚かさに気づき、善き性格を自分の中に育てることによって他人にも影響を与え、人間関係をうまく活かしているということです
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